会話の事例とコメント

会話のモデルケースとアドバイス・コメント

2歳 男児

課題または現状

お友達や保育所の先生にお会いした時にむこうから声をかけて頂いたのにご挨拶をしない。 マンション内やいつも通過する所にいる警備員さんなどにはとても大きな声で挨拶をします。

実際の会話

友達/先生:あ、Aちゃんだ!おはよう!(目の前まで駆け寄ってきて くれる。)

A:(だまる)

母:おはようございます!

友達/先生:(もう一度本人に近寄り)おはよう!

A:(だまる)

母:Aちゃん、みんながおはよう!とご挨拶してくれたよ、 何て言うんだっけ?

A:(ニコッとはするがお話しない)

母:(相手方に)おはようございます!

------------みんながいなくなってから--------------

母:Aちゃん、いつも元気にご挨拶するAちゃんどこに行っちゃったのかな~?

A:今度からする~

 

 

 

 

 

←Aちゃん、お友だちや先生が おはようって言ってくれたね。 Aちゃんは言わなかった。どうしてかな?

母親から

以前までは「ママと一緒におはようって言ってみようか?」としていたのですが、警備員さんなどには言わなくても自 ら発生しますので最近はなるべく1人で出来るようにと助け舟をださなくなりました。

室長から

『自分から挨拶するのは良いけど、先をこされるのはイヤ』『挨拶するべき相手には挨拶しなくてはいけないことが分 かっているので、わざと言わないでおこう。そうすれば、ママがそのことについて、なにか言ってくれる』と思ってい るふしがあります。

そんな時は、Aちゃんが挨拶をしなかった相手が目の前からいなくなった状態で、右欄の言葉を言ってください。そう すれば、「○○ちゃんイヤ」とか「せんせいにはおはようっていわない」とか、本人なりに思っている言葉がかえって くるかと思います。その際、なにもいわなかったら、「Aちゃんはご挨拶ができるのにご挨拶をしない。それって赤ちゃ んみたいね」と言ってください。事実、母親が居る時に挨拶をしない子どもは、『自分が言わなくてもママが言ってく れるからいいんだ』と思っていることが多いのです。

どうぞ、言わせようとするのではなく、言うのが当たり前なのに言わないのはおかしいねっていう感じで対応してくだ さい。そして、「もし、Aちゃんが誰かにおはようって言ったのに言ってくれなかったら、どう?言ってくれないとな んだか寂しくならないかな。Aちゃんはそれでいいの?」と話してください。

2歳 女児

課題または現状

児童館の三輪車

児童館の体育館にて数名のお友達と三輪車や、幼児用バイクや乗って遊ぶ車等で遊ぶために訪れた時です。中でもBは

赤い三輪車が気に入っており、いつも赤い三輪車を選びます。体育館に着き、子供たちが一斉に好きな物に向かい、B

もいつも通り赤い三輪車へ向かいましたが、先にお友達が乗りました。しばらく相手のお友達が乗っているのを見た後、

母の方へやってきました。

 

実際の会話

B:Bも赤い三輪車乗りたい!(泣いてはいませんが、不満でグズグズした

     言い方です)。

母:そうか。お友達が先に三輪車に乗ったから仕方がないね。

B:Bも乗りたい~!(語気を強めて怒りながら)

母:そうなんだ。でもママに言われても、どうすることもできないな。

B:かしてって言ってくる。

---Bはお友達に貸してと伝えた所、『後でね』と返事をもらいました。

    再び母の方へやって来ました。---

B:Bも赤い三輪車乗りたい~(先ほどより大きな声で、涙は出ていませんが、

     周りには泣いているような印象を与える言い方)。

母:後でねって言ってくれたよね。じゃあ待っていたらいいんじゃない?

B:Bも乗りたい~!(地団駄)

母:児童館の三輪車だから、仕方がないよ。Bだけが遊びたいなら、お家でB

      の三輪車で遊ぼうよ。帰ってもいいんだよ。

B:帰らない。待てる(むすっとした表情で母の隣でお友達が乗る姿を見てい

      ました)。

---この間、五分もなかったと思うのですが、Bの様子を見ていたお友達のお母

様が赤い三輪車を乗っていた子に『Bちゃんも乗りたいんだって、貸してあげ

たら?』と言って、お友達がどうぞと持って来てくれました。

今までの事がなかったかのように、ご機嫌で遊び出すB。10分程して…一つ年

下のお友達がお母様と手をつなぎながらやってきて、、三輪車を貸してと言われ

たB---

B:Bが今使ってるから、後でね(全く気にするそぶりもなくそう言い、遊び

続けるB。さらに五分程して、同じお友達が乗りたい~と言い、Bに貸してと

伝えました)。

B:後でね~!(全く気にする様子もなくご機嫌に。…五分程しても、夢中で

遊び続けるB。さらにもう一度お友達に貸してと言われ、後でね~と言い遊び

続け、後でねと言えば貸さなくてすむと思ってるように感じました)。

母:B、○○ちゃんずっと待っててくれてるよ。Bは順番変わってあげなくて

     いいのかな?

(だんまり…)

母:後でねって言ったら、変わってあげないといけないと思うよ。後でね~っ

     て言いながら、変わってあげないのに、児童館でみんなと遊べるかな。

B:遊べない。遊びたい!

母:じゃあどうするの?

B:どうぞ。(渋々)

(お友達が三輪車に乗ると、急に母に抱きついてきて母の胸に顔を押し付け

じっとしました)

母:児童館でみんなと遊ぶときは仕方がないよ。お友達に貸してあげられてよ

     かったね。こうやって順番にしたらお友達もBも楽しく遊べるね。

B:えーん…。(涙を流して泣く)

母①:(Bを抱っこから下ろし)泣いても分からないな。何か言いたいならお

       話してね。

B:(…泣く…)

--そこへ数分遊んだお友達が、どうぞと三輪車を持ってきてくれました--

B:(泣きながら)まだ使っていいよ。

お友達:どうぞ。

B:(泣きやみまだ使っていいよ。

---お友達は三輪車を置いて、別の物で遊び始めました。じっと三輪車をみつめ

るB---

母:Bはどうしたいの?

B:遊びたい(と言うものの、じっと立ったまま動きません)

母②:またお友達に貸してって言われたら、順番してあげたらいいんじゃない?

B:そうする(再び三輪車に乗り、一瞬でいつも通りの上機嫌で遊び始めまし

た)。

 

 

 

 

 

←〇

 

 

 

 

 

 

 

←×(地団太を踏んでいるときは

相手をしない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

←B、さっき、お友達のお母さん

が「替わってあげたら」って言っ

てくれたけど、待っている時Bは

どんな気持ちだった?Bも乗りた

いって怒りんぼしていなかった?

それなのに、自分の番になったら、

後でねって、何回も言ってずうっ

とずうっと乗っている。

それでいいのかな?(そんなこと

をしていると、誰も変わってくれ

なくなるかもね。)

←(ここでは母①のように抱っこ

して「ちゃんと、どうぞってでき

たね」と認め、おろしたほうがよ

かった)

 

母親から

自分の順番を落ち着いて待つこと、まだ遊びたい時は『後でね』と言えることを、母としては望んではみるものの、B

の後でね~と言えばずっと遊んでいられると思ったいるような姿に、どう伝えたらいいのか分からず、上記のやりとり

をしながらも、話している母自身が疑問だらけで、なんだかBとも会話になっている感じがありませんでした。

室長から

上記のBちゃんの言動から、Bちゃんが「今まで自分の思い通りになってきていたので、そうではないことに怒りを覚

えていること、それを爆発させていること。おかあさまのおっしゃった通りにしてみたものの、自分の思いを自分でコ

ントロールできない(したくない)ので、顔をうずめたり泣いたりという形で甘えています。自分の気持ちが乗らなかっ

たので友達に乗り物を譲ったけれど、お母さんに何か言ってもらってからではないといやと思っている」ということが

わかります。

お母さまとしては『ものの貸し借りができる子になってほしい』という思いがおありです。また、いろいろな感情を表

現する我が子に対し、応答的になるのも無理はありません。しかし、最初に地団太を踏んでいる段階で、毅然と受け答

えをしないという態度をなさらなかったので、表面上は母親にのっているように見えても、精神的にBちゃんは萎えて

しまったと言えます。そのうえ、甘えも受け止めてあげています。身体を触れさせずに隣にいてあげて初めて内省した

り自己コントロールの時間をもてたりしたことになるのです。

母②は、『Bちゃんの言ってほしい』という思いに応えています。これではいつまでも親の合図や指示を待つ子になっ

てしまいます。自ら行こうと思うまで、そばで寄り添ってあげるとよかったと思います。

 

4歳 女児

課題または現状

いとことのけんか

祖父母宅で、従妹家族と食事中。

大人たちはまだ食べている脇で、こどもたち(M、B、A姪3歳、甥2歳)が遊び始めた。

 

実際の会話

(A:小さな机を、食卓につながる長椅子の上にのせて、そのうえで、はさみ

で折り紙を切っている。MはAのすごく近くにいる)

A:Mちゃん、どいて!Aちゃん切ってるんだからー(M:少し脇にどく)

M:Aちゃん、まだ?Mちゃんも切りたいんだけど。

A:まだやってるの。

M:なんかおりがみ、ぐちゃぐちゃになってるよ。

A:ぐちゃぐちゃになってるとか、言わないでー!(と怒って泣く)

母①:Mちゃん、Mちゃんも切りたかったら、Aちゃんは、まだ使ってるみた

   いだから、自分のはさみを持ってきたら?(自宅が隣で室内で行き来で

   きるため)

M:やだ! ママとってきてよ。

母:ママは、Mちゃんがおりがみ切るのに、Aちゃんのはさみを待っているん

  だったら、自分のはさみをとってきたら?って言ったのに、やだなんていう

  なら、ママもやだ。それにママ、まだお食事中だもの。

M:やだー!ママがとってきて!(と怒って泣く)(AはAで、まだ泣いている)

母:ちょっとこっちにおいで(と泣いてじたばたしているのをひっぱって別室に

  連れていく)。

母:Mちゃん、まず泣き止もうか?

M:はい(泣き止む)

母:どうして、おこりんぼさんしたり、泣いたりしているの?

M:だって、Mちゃんも折り紙切りたいのに、

  Aちゃんがかわってくれないから。

母:そうか、Mちゃんも折り紙を切りたかったんだね。でも、ばあばの家に、ほ

  かにもはさみはあるし、Mちゃんもおうちに自分のはさみがあるから、それ

  を持ってくればいいんじゃないかなあ? 

M:だってはさみがあっても、まだおつくえの上は、よごれてるし、あの場所で

  (床より高いところで)やらないと、小さい子たちのこと切っちゃうから、

  あの場所を待ってたの。

母②:お机の上がよごれてるってどういうこと?

M:まだみんながお食事していて、つかえない。

母:そうか、Mちゃんは、お机の上は、まだ大人がお食事していてあいていない

  し、床でやったら、BちゃんとかTくん(甥)がきてあぶないって考えたん

  だね。じゃあどうしようか?

M:Aちゃんがおわるの待ってる(と部屋にもどったら、Aはちがうことをして

いたので、折り紙を切ることができた)。

 

 

 

 

 

 

 

 

←Mちゃん、ぐちゃぐちゃって言

わないでってAちゃんが言ってい

るわよ。

 

 

 

 

←○

 

 

 

←○

 

母親から

室長から

以前もお話いたしましたように、子どもなりにAちゃんが終わったらハサミを貸してもらうと思っている以上、MちゃんはAちゃんがハサミを使い終わるまで待ちたかったのだと思います。ところが、お母様は母親①で、AとMのやりとりは関係なく「~したら」と提案しています。おそらくMちゃんにとってはそれが指示に聞こえたのではないでしょうか。

母②の質問では、なぜMちゃんが待っていたのかの理由をうまく引き出すことができました。この辺を早い段階で話し合うことができたら、Mちゃんは泣かなくてよかったのだと思います。

 

Copyright © 潤心会 母と子のオムニパーク All Rights Reserved.